雁屋哲の今日もまた

2009-02-24

ちょっと、宣伝

 ちょっと宣伝。
「美味しんぼ」の「日本全県味巡り」和歌山県篇、今週月曜日発売からの「ビッグ・コミック・スピリッツ」での連載が始まりました。全国の書店とコンビニエンス・ストアで売っています。
 今回は、和歌山県を徹底的に取材した結果の成果です。

 和歌山県は素晴らしいところだったなあ。
 その証拠に、私の小学校の同級生たち、12人が徒党を組んで和歌山を襲撃することになってしまった。
 哲ちゃんが、そんなにいいと言うなら和歌山に行きたい、とこう言うわけです。
 実は、今まで、日本全県味巡りで各地を回る度に、その後で、小学校の同級生たちが、「さあ、連れていけ」とこう来るのです。
 哲ちゃんだけ、いい思いして、それで、田園調布小学校六年二組が収まると思うのか、と言うのが、同級生たちの言い分なんですが、私の身にもなって欲しい。
 取材で訪れたところに、再び行くと言うことは、これは、裏を返すようで大変に良いことだと思うのだが、なんで、私が旅行代理店の役目をしなければならないの。
 なんて、うっかり口にしたら大変。
 私たちの同級会の実権はどこでもそうだと思うけれど女性陣に握られているからね。
 下手なことを言うと女性陣から、槍のような言葉が飛んで来る。
 とても優しくて、美しい女性たちなんだが、これは小学校の時からの、もう身に付いた事なんだろうな。男共は、女性たちの決めたことに従うこと。
 これが、五十年以上続いているんだ。
 ちょっとやそっとのことで変えられるもんじゃないよ。
 私達の年代は、女性が非常に強かったんだ。
 今、若い男が、若い女性をつかまえて「おまえ」なんて言うのを聞くと、「そんなばかな」と私なんか気が遠くなる。
 そんなことを、私達同級生の間で言ってご覧なさい。
 同級会、永久追放だよ。

 小学校を卒業して五十年以上経つ同級生が集まると、もう、本当に楽しいことしかないんだ。
 なんだが、ただ一緒にいるだけで楽しい。
 他愛のないおしゃべりをするのが楽しい。
 中に、妙にカラオケが上手な人間がいて、皆でそのカラオケに聴き惚れるのも楽しい。まるで、プロの歌手顔負けなんだもの。
 とにかく、何をしても楽しいのが、小学校の同級会だ。
 みんなと一緒にいる、と言う感覚だけで、素晴らしい幸福感を味わうんだよ。昔の思い出話が何度も蒸し返して出て来るしね。
 同じ話だから聞き飽きた、なんて、誰も言わない。
 その話の度に大喜びする。
「美味しんぼ」の中にも、何度か、公私混同で我が「六年二組」のことが出て来ます。校歌まで漫画に書き込んじゃったもんね。
 楽しいよう。
 今度は、和歌山で、また、皆で底抜けの楽しみを味わうんだ。

 ああ、待ち遠しい。

 最後に、もう一つ宣伝。
「シドニー子育て記」(遊幻社刊)をどんどん買ってくださいね。
 この本が売れないと、私は、首をくくらなきゃならない。そろそろ首をくくる日が近づいてきた。
 読めば面白いんだよ。書いた本人が言うんだから正しい。
 ただ、宣伝を行き届かないので、中々人目につかないんだ。
 このページを読んだ、読者諸姉諸兄は、迷わず直ちに本屋さんに注文してください。
 お願いしますよ。私が首をくくる前にね。

雁屋 哲

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頭痛、肩コリ、心のコリに美味しんぼ
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