雁屋哲の今日もまた

2009-02-22

オーストラリア政府が正しく対応することを求める

次のようなニュースが入ってきた。
引用させて貰う。

 シー・シェパードの船を初捜索=日本が要請、ビデオなど押収−豪警察
 【シドニー21日時事】米環境保護団体シー・シェパードは21日、南極海で日本の調査捕鯨船に妨害活動をしていた抗議船「スティーブ・アーウィン号」がオーストラリア警察の捜索を受け、ビデオや航海日誌などを押収されたことを明らかにした。豪警察当局による抗議船捜索は初めて。豪ABC放送によると、警察は日本当局からの正式要請を受け、予備的な調査をしていることを明らかにしたという。
 捜索は20日、同船が妨害活動を終えて豪南東部のホバート(タスマニア州)に寄港した際に行われた。

 さて、さて、問題はこれからだ。
 オーストラリア政府が、国際的犯罪行為として認められている、海上での船舶に対する攻撃を、犯罪として認めるのか。

 オーストラリア自身、周囲を海に囲まれた海洋国家だ。
 日本の科学調査船とその乗組員の生命を襲う海賊や、テロリストを容認したら、次から誰もオーストラリアの船を海上で助けることはなくなる。
 日本の科学調査船は、自分たちを攻撃に来た、「シー・シェパード」の乗組員が乗ったゴムボートが濃霧の中で動けなくなったのを救ってやった。(まあ、「シー・シェパード」はなんと言う間抜けな連中なんでしょうか)
 連中は、日本の科学調査船を攻撃するための、化学薬品の入った瓶などを、沢山持っていたのである。
 それでも、日本の科学調査船は救ってやった。
 それに対して、「シー・シェパード」は「当然のことである」と威張っている。(世界中、どこでもテロリストは、いつも、助けて貰いながら、それをありがたがらずに、返って文句を言うよね。人間として、最低だね)
 自分たちを攻撃して来る事が分かっているテロリストを助けてやった日本人の寛容さが、どうして連中には分からないのか。
 これが、カルトの恐ろしさだ。
 カルトに一旦はまると、理性が働かなくなる。
 自分たちが、全く不法な攻撃を仕掛けている人間から救って貰っておきながら、それに対して、きちんとした感謝ができない。
 こう言う人間は、心の病にかかっている、としか思えない。

 しかし、国際的な法は、きちんと守って貰わなければ国家同士のつきあいは出来ない。
 タスマニアに入港した、「シー・シェパード」の乗組員の中の犯罪者たちを、オーストラリア政府はどう扱うのか。
 ここで、本当に、オーストラリアという国が、公正な国なのかどうなのかが問われる。
 国際法を守らないのだったら、国際社会に何かを求めるべきではない。
 オーストラリア政府の、今後の対応に対して、日本政府は厳しく対応するべきだ。
 カルトによるテロを許すなら、オーストラリアという国の基本的な存在理由が失われる。(国際的に手配されている犯罪者をそのまま見のがすなら、次からどこの国でも、オーストラリアの手配する犯罪者は見のがして良いことになる)
 オーストラリアという国は、フェアーな国のはずだ。
 アン・フェアーなことを許すなら、マルチ・カルチュラリズム(多文化主義)と言うこの国の理想が崩れる。
 捕鯨の良否については、きちんと対話をしよう。
 了解点を探ろう。
 それを、我々日本人は、言っているのに、鯨カルト一派は一切それに耳を貸さない。
 ここで、「シー・シェパード」に対してきちんとした対応をオーストラリア政府が取らないのであれば、オーストラリア人全体が、国際法を守るという理性を失った、鯨カルト国民であると世界に宣言する事になる。
 少なくとも、テロを批判する事が出来なくなる。
 オーストラリア政府よ、どうするんだ。

 日本政府も、ここは、きちんと詰めて欲しい。
 いい加減なことで妥協するな。
 われわれ、日本人の文化を守ってくれ。

雁屋 哲

最近の記事

過去の記事一覧 →

著書紹介

頭痛、肩コリ、心のコリに美味しんぼ
シドニー子育て記 シュタイナー教育との出会い
美味しんぼ食談
美味しんぼ全巻
美味しんぼア・ラ・カルト
My First BIG 美味しんぼ予告
My First BIG 美味しんぼ 特別編予告
THE 美味しん本 山岡士郎 究極の反骨LIFE編
THE 美味しん本 海原雄山 至高の極意編
美味しんぼ塾
美味しんぼ塾2
美味しんぼの料理本
続・美味しんぼの料理本
豪華愛蔵版 美味しんぼ
マンガ 日本人と天皇(いそっぷ社)
マンガ 日本人と天皇(講談社)
日本人の誇り(飛鳥新社)
Copyright © 2024 Tetsu Kariya. All Rights Reserved.
掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。