雁屋哲の今日もまた

2008-11-22

シドニーに帰ってきました

 17日は、東京FMで、「エンカレ」と言う番組の新年放送の分の録音をした。
 ライターの、矢張岳史さんとの対談で、今度刊行した「シドニー子育て記」のことについて、三週分を一度に録りためた。
 矢張さんは初めてお会いしたが、極めて暖かな人柄で、こちらの話を上手に引き出し、丁寧に聞いてくださる。
 こういう方との対談は、していても気持ちがよい。
 気持ち良く録音が出来た。
 録音後、ディレクターの方が、私の声を讃めてくださった。
 私は今までに色々な方から声がいいと讃めていただいているが、誰一人いい男だと言ってくれた方がいない。
 女性にもてるためには、声より、容貌なんだよな。

 午後、姉と妻がホテルに迎えに来て、電通の同期会の会場に向かう。
 同期会と言っても、それぞれが電通で外れくじを引いた人間ばかりで、みんな電通を辞めてえらく人相良くなった。
 場所が新宿なので、これが困った。
 私は新宿にはひどくうとい。
 駅ビルの中の店だというのだが、もう、私なんか浦島太郎もいいところで、まるで、何かなんだが分からない。
 とにかく凄まじい人間のかず。どれをどう取っても見分けのつかないビルの燐立つ。
 新宿近辺に入ってから1時間ウロウロして神経がいらだちの極まりに至ってしまった。
 会場は、スペイン料理屋で、スペイン料理を食べさせるだけでなく、なんと、フラメンコまで踊ってくれる。フラメンコと言っても、歌手スペイン人だが、踊るのは、男も女も日本人である。
 日本人というのは凄い。
 スペインまで出かけていかなければ中々あれだけの、技は身に付くまい。
 凄い情熱だ。
 我々の仲間は、フラメンコなどの細かいことに気を使わない。
 皆でわいわい出来ればそれで良いのだ。

 会話がそれぞれに、二重三重に飛び交って、全体として何を話したのか分からない。
 しかし、最高に楽しい時間だ。
 心が完全にくつろいで、悪口の言い放題。
「てめえ、ばかやろう」の言い放題。
 でも、とても気持ちがよいのだ。
 最高の仲間だ。

 十分に楽しんで、レストランの外に出る、妙に魅力的な屋台のラーメン屋がある。こう言うとき私の悪いくせで、ちょっと試してみたくなる。
 みんながやめろやめろと言うのに、一杯注文する。
 その味たるや、空前絶後だ、一口すすって、友人たちに進めて、逃げ出す。友人たちは今までの私の仕打ちからして、半信半疑と言うより、これは駄目に決まっているとおもいつつ、ひとすすりずづすする。
 その間に、私は、百メートルくらい逃げ出している。
 あとで、店主が、ラーメンを残したことに怒って、ののしりつくしたそうである。
 まずいラーメンを、作る人間と話し合っても仕方がない。
 これは、固い人生観の基に作っているのだから、私達が何を言っても味を変えることがないだろう。
 でも、世の中には、その味が好きで、これ一番だという人がいるのだから、
 それはそれで上手く行っているのだ。

 18日は、疲労が体中からあふれ出てきて、コンピューターの整理だけでくたびれ果てた。

 それなのに、19日は、午前と午後、二つのインタビューをこなした。
 私は、こんどの「シドニー子育て記」の宣伝になればと思って受けるのだが、みんな興味があるのは「美味しんぼ」の話ばかり。

「子育て記」宣伝にはならなかった。

 久し振りに、神保町の「スィートボーズ」で餃子を食べたが、今日はどう言う訳か、皮が生焼け風でいつもの味がなかったのが残念。
 長い間にはこんな事もあるのだ。

 所で、スィートボーズのすぐ近くにあった 「地方出版書籍」の店が見つからなかった。
 潰れたのだろう、移転したのだろうか。
 もしなくなったとしたら、どうしたら良いのだろう。
 あんな良い本屋がなくなるようでは日本の文化は、行き先望みがない。
 どこかに移転していくれたら嬉しいんだが。

 20日は、帰り支度だけで、疲労困憊。
 今回から、日本発が一時間早まったので、東京で食事をしてから飛行機に乗ることが不可能になった。
 空港で食事をしなければらない。

 一軒だけ化学調味料がそれほど強烈でない中華料理店を見つけたので、気持ち良く食べることが出来た。

 睡眠薬を飲んで、熟睡したが、それでも、午前8時すぎにシドニー空港に着いたときには、酔眼朦朧。
 次男が迎えに来てくれた車に乗るとすぐに睡魔が襲ってきて、家まで意識無し。
 家にたどり着くと、そのままベッドに潜り込んで、午後2時すぎまで、こんこんと寝る。

 夕食、7時になって、ようやく意識を取り戻す。
 しかし、折角戻った意識を、ウィスキーで濁らせてしまう。
 困ったもんだね。

 さあ、明日からは、このページ、気合いを入れて書くぞ。

 せっかく「シドニー子育て記」を出版したのだから、日本の教育制度ついて、しつこく書いていこう。
「シドニー子育て記」には書けなかった所も書かないとね。

 そう言うわけで、当分面倒くさい話が続きます。

 最近、気がついたんだけれど、私って随分真面目だね。
 というか、矢鱈事細かい議論を重ねるのが好きだね。

 こう言うものは読みたくないよね。
 多くの人達の趣味と、どうして私の趣味がこんなに違うのか残念です。

 とまあ、そんなこんなで
 疲労が回復次第、色々書いていきます。

 ほんとうにつかれたんだよお・・・・・・。

雁屋 哲

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頭痛、肩コリ、心のコリに美味しんぼ
シドニー子育て記 シュタイナー教育との出会い
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