雁屋哲の今日もまた

2010-12-31

来年こそ良い年でありますように

 2010年も、終わろうとしている。
 読者諸姉諸兄におかれましては、どんな年でしたか。
 私にとっては、厳しい一年でした。
 企んだことが、何もかも上手く行かず、気の滅入ることばかり、気がついたら今年も終わっていた。

 しかし、私は、負けるのが大嫌いな人間なので、今年は、沈潜と勉強の年であったと総括することにします。
 これだけは、まっすぐに顔を上げて言えるが、沢山勉強しました。沢山、新しい活動のための仕込みをした。勿論、本も沢山読んだ。
 その勉強と、仕込みが、来年上手く爆発出来ることを願うのみだ。

 最近、このブログの更新が頻繁ではないのは怠けているからではない。
 勉強と、仕込みのために、一日中自分を追い込んでいるので、仲々このページにたどり着けないのが実状なのだ。

 世の中のことは、考えれば考えるほど気が滅入るので、なるべく考えないようにしているが、結局色々な世の動きが、私自身に直接影響を与えることになるので、黙ってはいられない、と言うところがある。

 これからも、四辺に目配りを絶やさず、気がついたことはここで発言して行きたいと思っている。
 漫画家はマンガだけ書いていろ、余計なことを言うな、と言うご意見もあろうが、漫画家というのは、私の人格の一部でしかない。
 本当なら、漫画だけに没頭していたいのだが、漫画を書くのとは別の自分の内部の人格が、漫画を書くだけでは満足出来ず、いろいろと言いたくなるのである。

 このブログを読むと、その内容が不愉快なので、折角の漫画の読者が雁屋哲をいやになって離れてしまう、と言う意見も聞く。
 そう言う意見の人が出て、そう言う雁屋哲嫌いの傾向が強まるのも、仕方がないことだ。
 私は自分自身を偽れないし、「美味しんぼ」のなかでも、かなり物議を醸した内容の物がある。
 しかし、漫画が売れなくなったら、大変に困る。
 それは、経済的な面だけでなく、読者の支持を失なう、という本質的な点で本当に困るのだ。
 私は純文学者ではない。売れなくても構わない、という純粋な立場を取らない。
 できるだけ多くの読者に読んで頂いて、私の意見に巻込みたい。
 そう、思っている。

 それなら、読者に対してもっと耳触りの良い話しをしたらどうなんだと言う意見にも従いがたい。
 私は、私という、これだけの人間であって、それ以上の人間にはなれない。
 だから、「美味しんぼ」でも、このブログでも、自分の思ったとおりのことを、様々な摩擦を受けながら書いてきた。
 それが、2011年になったら、突然大人しくなった、と言う訳には行かない。
 2011年は、これまで押さえていた事もまで全て爆発させるような内容の日記にしたいと思う。
 ああ、これで私の書く漫画は売れなくなるだろうな。

 でも、仕方がないんだ。
 人間なんて、20歳で決まりますね。
 それ以降は、どんなに頑張ったって、自身の変更は不可能です。
 どんどん、カメレオンみたいに変わる人間はいますが、それは、元々自分自身という物を持っていなかった人なので、議論の対象になりません。
 そして恐ろしいことに、議論の対象にならない人間が、今の世界、大手を振って生きているのですよ。

 ああつまらん。
 年の終わりに、下らないことを書いてしまった。
 その、お詫びとして、読者諸姉諸兄の全てを祝福し、読者諸姉諸兄全てに幸運もたらす健康上の秘技をお教えします。

  1. ベッド、あるいは布団の上に平らに寝る。
    両手両脚を大の字に開く。
    精神を、落ち着けるために、二三度深呼吸をする。
    それから、本当の呼吸に入る。
  2. まず、腹を思い切りふくらませて、鼻から空気を吸い込む。口は閉じていなければならない。(いわゆる腹式呼吸です)
    腹がふくらみ切れないまでになったら、胸に空気の吸い込みを移す。
    胸の両方の上端の、いわゆる肺尖と言う、肺の一番の突端まで空気を吸い込む。
  3. 次に、吸い込んだ空気ははき出さなければならない。その時には、唇を細くすぼめ、口笛を吹くような感じでじょじょに吐きだしていく。
    決して急いではならない。ゆっくり、体の許す範囲でゆっくり吐き出す。
  4. ここで重要なのは、体中の空気を全て吐き出すと言うことである。
    肺を絞り、体中を丸め、本当に苦しいまでにして、体内の空気を全てはき出す。
    身をよじって、最後の最後まで自分の体に残っている空気をはき出す。
    これは、苦しい作業である。でも、これが重要なのだ。

 そして、2)に戻る。
 2)から4)までを,朝起きたら、寝床の上ですぐに行う。
 できたら20回繰返す。
 その際に大事なのは、両手両脚の力を完全に抜いて、大の字に広げることである。
 同時に、上の運動をしている時に、「ああ、気が入って行く、自分の体に気が入って行く」と念じるのも効果的である。
 感の強い人には、両手両脚の指先に、不思議な、ぴりぴりした感じが走ることもある。
 私の場合は、常に感じる。指先まで、何かしびれるような、すっきりしたような気合いが通るのだ。大変に気持ちがよい。

 その呼吸法を行うと、実に体調がよい。精神にも良い。

 これは、親愛なる読者諸姉諸兄にしかお教えしない秘技である。

 読者諸姉諸兄におかれては必ず実行して下さい。

「気」とはなにか、このことについてはまた別の機会に話そう。
 人は「気」よって生きる。
 これはまだ、科学的に解明出来ていないが事実として実証的には認められている。

 私は以上の呼吸法勧めることで、これを、読者諸姉諸兄にたいする今年のお礼の代わりとしたい。

 2011年が、読者諸姉諸兄にとって素晴らしい年であることをお祈りします。

雁屋 哲

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