雁屋哲の今日もまた

2010-08-16

さあ、元気を出すぞ

 この二週間、体調が最悪で、このブログの書き込みも、殆ど途絶えてしまっていた。
 別に、死んだ訳ではない。
 この体調の悪さはなんと言って良いのかね。
 まず、頭だろうね。
 頭の腐敗が進んだというのが正しいのかも知れない。
 体も心も、深く深く沈み込む。
 その理由は、しみじみ、この世界がいやになったと言うことなんだろうな。
 
 今、まともな社会、って世界中に何処か有りますか。
 2億5千年万年続いて、絶対にこのまま栄え続けると思った恐竜が亡びたのが6500万年前。
 今では、小惑星の衝突による気候の変動が恐竜を絶滅させたと言う説が有力である。
 有力であると言うだけで、それが、正しいと決まった訳ではない。
 
 人類は、今亡びつつあると思う。
 だって、あなた、この狭い日本だけで50基以上有る原子力発電所が、地震か何かで二つ、あるいは三つ壊れてご覧なさい。
 日本だけじゃない。
 世界中が、大変な被害を受けます。
 中国も、どんどん新しく、原子力発電所を作るという。
 
 ちょっと待ってくれよ。
 中国のあの三峡ダムは何だったの。
 今回の洪水を止めるのに何の役にも立たなかったじゃないか。
 あれだけ大げさなことをして、一体これは何なんだ?
 そう言う国が、原子力発電所を作るというのは怖いよな。
 だって、ぜんぶ、共産党幹部のメンツを立て、私腹を肥やすためだけなんだもの。
 
 チェルノブイリ一つであれだけの騒ぎになったんだ。世界中の原子力発電所が四つか五つ壊れてご覧なさい。
 お終いですよ。
 どうして、みんな、こんな危険な物を安全だ、安全だと言い張るんだろう。
 原子力工学を学んだ者は、特別に頭が良い訳ではありませんよ。
 原子力のことをよく分かってもいない。(私は、色々な原子力工学関係者から話を聞いて、彼らは、たんに希望的予想に全てを賭けているに過ぎないと確信するに至った。安全について確信を持っている関係者は一人もいなかった)
 工学部で、他に行くところがないから仕方なく原子力工学部に行ったと言う人間も多い。
 要するに、原子力発電に対して、自らの全てを献身するなんて気持ちはさらさら無い人達が少なくないのだ。
 原子力発電所の研究員も、事故が起こる前に、自分の定年が来るようにと、それだけ願っている人々が少なくない。
 実際の、危険な作業は自分たちでせず、契約社員にさせている研究員が、反論出来るか。
 出来たら、反論して下さい。
 このブログに、その反論を、きっちり載せますから。
 
 ところで、東京大学から、「原子力工学科」が無くなったのは面白い。
 とにかく、進学希望学生が全然来ないというのだ。進学希望学生がいなかったら、学科なんか成り立たないのは当然だ。
 学生たちは分かっているんだね。
 学生たちは、自分たちの未来に対して必死に考えるから、未来のない学科には行かないんだよ。そう言う意味では、東大の学生は、ちゃんと物事を考えているな。
 
 人類が亡びるのは、原子力発電所のせいだけではない。
 日本は人口減少が問題になっているが、世界的には、今人口爆発という未曾有の事態に直面している。
 地球の歴史を見てみると、だいたい、一つの種の動物が過剰に繁殖すると、必ず反動が来るようだ。
 今、中国、タイ、インド、あの辺りで、水争いが激しい。
 中国は、司馬遷の時代から全く自国の覇権しか考えない国だから、隣の国の水問題など考えない。そう言う、感性はない。
 
 で、いま、あのアジア大陸の川の入り組んだ辺りに、どんどん中国がダムを造って水を中国に引いていくので、近隣の国と大変に揉めているという。
 しかし、今や、中国は経済大国、軍事大国だ。
 タイや、インド、パキスタン、などが中国と対抗しようと思ったらこれは大変だ。
 まともに戦争をすれは,中国に敵う訳がない。となると、また、局地戦争、テロの連続か。

 ここまで、異常に人類が繁殖して、環境を破壊したら、もうじき食べ物と水を巡っての激しい争いが起こるだろう。
 昔は、槍と刀で戦っていたが、今は、核戦力だ。
 さらば、人類、その日はそんなに遠くない、と思う。
 
 と、まあ、こんなに悲観的にならずに、元気を出そう。
 それが、我々の世代の人間の責任なのだから。
 
 ところで、最近、私の次女がラーメン作りに凝りまして、まあ、あなた、麺を作るところから始めるんですよ。
 しっかり麺生地を作って、充分の時間寝かせて、それで、パスタ製麺機で細麺を作るんです。
 出汁は、青森の、アジの焼き干し、健康肥育の豚の肩ロースの煮込み汁(有機認定が難しいので有機と言えないが実質有機肥育の豚だ)、それに有機肥育のニワトリのがらである。
 有機肥育のニワトリの卵を煮卵にする。これがうまい。
 どんぶりの表面には、豚の肩ロースの煮込みの薄切り、煮卵を半分に切った物二つ、当然、煮卵の半熟の黄身がとろりぬめぬめと旨そうに流れ出かけています、わかめ、小松菜。
 
 もう、このラーメンを食べると、他のラーメンなんか食べられませんよ。
 私なんか、このスープ全部飲んだら、塩分過多になるかなと怯えつつ、どんぶり一杯のスープを飲んでしまう。
 ああ、途中でやめられない。旨いんだ。
 麺が旨い、スープが旨い、煮豚が旨い、卵が旨い、何もかも本物だから旨い。
 不満はただ一つ。麺の量を増やしてくれい!替え玉ありにしてくれい!
 この、次女のラーメンを食べる度に、ラーメン専門店は、何をしているんだ、と腹が立つ。
 ずぶの素人が、全く普通に作ってこんなに美味しいのに、ラーメン専門店は、わざわざまずくするために力を尽くしているのか。
 そこが分からない。
 返答せい!そこのラーメン屋!
 
 ああ、早く、また次女がラーメンを作ってくれないかな。
 それだけが楽しみの、今日この頃でございます。
 原子力発電所よりラーメンだろう。
 そうじゃないかい、皆の衆。

雁屋 哲

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