雁屋哲の今日もまた

2009-10-03

ノンアルコールビールの会

 10月1日に、小学校の同級生たちで、ノンアルコールビール大会を開いた。
 横浜に住む同級生の「ほ」が、酒の飲み過ぎで肝臓を手術し、その後一切アルコールを断ち、ノンアルコールビールで我慢していると、同級生の掲示板に書いたので、「よし、それなら、みんなでノンアルコールビール大会を開いて、彼を元気づけよう」と言うことになって開いたのである。
 飲んべえの中には、「アルコールが飲めないのなら、勘弁」と最初から棄権した者もいたが、それでも17人集った。
 ノンアルコールビールと言うけれど、瓶のどこにもビールとは書いてない。ビール風飲料、と書いてある。
 ビールではないのでビールとは書けないのだろう。
 本物のビールと違ってだいぶ甘いが、もともと、ビールにオレンジジュースを入れて飲む女性がいて、彼女は「甘くて美味しいわ」といっていた。
 私は、絶対アルコールを飲まない、と言う気概を見せるために自分で車を運転して横浜まで行った。
 横須賀市、秋谷の家から、四十数分で着いた。
 電車を利用するより遙かに早い。
 会は、その「ほ」による会の趣旨の説明から始まり、皆で、ノンアルコールビールで乾杯した。
 肝臓の手術をしてやせたが、「ほ」は若い頃の彼に戻って、男ぶりは上がった。ガンではなかったというので、このまま養生すればまた飲めるようになるだろう。
 元気なかれの姿を見て同級生たちは安心した。
 中にひどい酒飲みがいて、ガンマーGTPは270以上だが全然何ともないと豪語して(ついでに、申し上げると、ガンマーGTPの正常値の上限は50です。270というのはかなりやばい数字だと思うけれどな)焼酎に梅干しを入れてがんがん飲んでいたが、私はそのような誘惑に負けず、ノンアルコールビールをのみつづけた。
 アルコールが入らなくても、小学校の同級生の集まりというのはおしゃべりだけで楽しいので、あっという間に時間が経った。
 ふしぎなもので、アルコール分ゼロなのに、飲み続けている内にいい気持ちになってしまった。お腹の中で、ノンアルコールビールが発酵して普通のビールになったんじゃないか、と言ったらみんなに笑われた。勿論、そんな訳がない。
 同級生効果というものだろう。
 十分にみんな満足して、次の会をいつ開こうか、などと言う話になり、お開きとなった。
 みんなは二次会に行って飲むと言うことだったが、私は翌日のこともあるので失礼した。
 アルコールを飲んでいないと車の運転も安心だ。
 十時過ぎに家について、十二時頃に寝たが、参ったのは夜にトイレに四回も起きたことだ。
 アルコールが入っていなくても、あれだけ飲めば、おしっこも出る。
 ノンアルコールビールの会も悪くないと思った。
 矢張り何より、同級生たちがいいんだ。
 六年二組、最高だぜい!

雁屋 哲

最近の記事

過去の記事一覧 →

著書紹介

頭痛、肩コリ、心のコリに美味しんぼ
シドニー子育て記 シュタイナー教育との出会い
美味しんぼ食談
美味しんぼ全巻
美味しんぼア・ラ・カルト
My First BIG 美味しんぼ予告
My First BIG 美味しんぼ 特別編予告
THE 美味しん本 山岡士郎 究極の反骨LIFE編
THE 美味しん本 海原雄山 至高の極意編
美味しんぼ塾
美味しんぼ塾2
美味しんぼの料理本
続・美味しんぼの料理本
豪華愛蔵版 美味しんぼ
マンガ 日本人と天皇(いそっぷ社)
マンガ 日本人と天皇(講談社)
日本人の誇り(飛鳥新社)
Copyright © 2024 Tetsu Kariya. All Rights Reserved.
掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。