雁屋哲の今日もまた

2008-07-04

前半のまとめ

 さて、ここまでの前半を整理し、大まかにまとめてみよう。

  1. パレスティナ問題は、1948年のユダヤ人によるイスラエル建国に始まる。
  2. 紀元135年に、ローマ帝国に対する最後の反乱に敗れてユダヤ人はイスラエルから追放されて、世界中に離散して行った。
  3. 四世紀にキリスト教がローマ帝国の国教となって以来、ユダヤ人はキリスト教徒の敵として迫害されるようになった。
  4. 中世を通じて、ユダヤ人に対する迫害は続き、1800年代も後になると、アンティ・セミティズムがヨーロッパ各国で激しくなった。ユダヤ人は個人の尊厳も認められず、暴行、虐殺など、肉体的にも激しい迫害を受けていた。
  5. そんな状態にあるユダヤ人を救うただひとつの道は、ユダヤ人のための国を造ることだと、テオドール・ヘルツルは考え、「シオニズム」が広まり、それが、イスラエル建国につながった。

 以上、大まかにまとめたが、この前段を前提として、しっかり掴んで置いて頂きたい。
 1800年間にわたってユダヤ人が受けてきた迫害の大きさ、ひどさ、残酷さはどんなに強調しても強調しすぎることはない。
 今、パレスティナ問題で中東から欧米の世界はさまざまな苦しみを味わっているのだが、それは自分たちが1800年間にわたってユダヤ人たちに、全く理不尽きわまりない迫害を加え、いため続けてきたことのつけが回って来ているのだ。
 このつけを、如何にきれいに清算するか。
 それが、世界の抱えている問題なのだ。

 ところで、最近、人工関節を入れた方の脚の脛が痛くてたまらない。
 これでは、歩くにも歩けない。骨に異常があるのでは、何をすることも出来ない。
 昨日、医者に診て貰ったら、手術の経過は順調だが、脛の骨の中に挿入されている人工関節を支える金属の軸と、私自身の骨とが、折り合いが悪く、それで痛みが発生しているのだという。
 これは、骨と金属という異質の物質がくっついているのだから当然の現象で、この痛みを消すための方策はない。
 骨が成長して金属と上手く共存できるようにするしかない。
 そのためには、どんどん脚を使って骨に負荷を掛け、金属となじむように成長させなければならないと言う。
 当面、痛さを押さえて運動を続けるために、痛み止めを飲めと言って、医者は痛み止めを処方してくれた。
 痛み止めを飲みつつ運動を続けると言うのは、厳しい。

 さて、その薬を飲んだところ、かなり強い麻酔作用を持つらしく、頭がぼーっとして、だるい。意欲も減退する。
 現在、その影響下で書いている。

 ちょっと辛いので、パレスティナ問題を今日は書くことができない。
 今日一日様子を見て、あまり、悪影響が続くようだったら、薬を変えるしかないだろう。
 今日はこれからリハビリに行くので、専門家にこの痛み止めをどう制御していくか考えてもらって、すっきりした頭になって、明日から、パレスティナ問題を続けたい。

雁屋 哲

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