雁屋哲の今日もまた

2018-09-09

みんなのデータサイト

2011年3月11日から、7年半が経とうとしています。
最近、「もう、あれから7年経つんだから」という言葉を聞きました。
その「もう」はどう繋がるのか。
なんと、「そろそろ、いいでしょう」に繋がりました。
福島の振興のために、福島の農産物、 福島の海産物、福島産の食品、の販売を促進しようと言うのです。
福島第一原発事故以来日本の環境は大きく変わりました。
本当に、「もう、あれから7年たつんだから」「そろそう、いいでしょう」なのでしょうか。
私は「美味しんぼ」第110巻、第111巻の「福島の真実」を書くために、2011年から2013年ま10月まで福島の取材を重ねて来ました。
2015年の12月はすでに「美味しんぼ」の「福島の真実」篇のスピリッツ誌掲載は終わっていましたが、その後の福島の様子を見るために福島をあちこち見て回りました。
私が最後に福島を見たのは、この2015年12月15日、16日です。
最後に見てから、2年7カ月しか経っていません。
最後に見た福島の姿と、この2年7ヶ月という時間の経過を考えると、私は「もう」とか「そろそろ」とか言う気持になれません。
「もう」か「そろそろか」それをハッキリさせるためには、福島県、それ以外の地域の放射線量を、知る必要があります。
最近は、福島安心論の声が高く、なかなか放射線量についてのニュースはあまり読んだり見たりすることが少なくなりました。
何もかも、なかったことにしようと言う勢力が大きな力を振るって、人々の口を開かせないようにしていることを感じます。
こういう中で、福島第一原発事故によって、私達が受け続けている放射能汚染を追求している「みんなのデータサイト」という市民団体があります。
今回は、この「みんなのデータサイト」を紹介し、このサイトが取り組んでいるクラウドファンディングに対する協力をお願いしたいのです。
「みんなのデータサイト」について、その一員である平井有太さんが書かれた紹介文を、以下に要約します。
『みんなのデータサイト』は全国の土壌、食品の放射線量を市民で測り続け、蓄積したデータをネット上で公開します。
データの公開は、市民の暮らしに役立つことが願いです。
オリンピックに向け、すべてがなかったかのごとく扱われる中、
実際そこかしこにある放射性物質の存在を可視化することから、
あらゆる道が拓けていくだろうと信じています。
現在、このみんなのデータサイトが、のべ4000人のボランティアと共に17都県、3400ヶ所以上の土壌を採取し、国や行政が公表しない本当の放射能汚染の実態『「図説」17都県放射能測定マップ集』を刊行するため、クラウドファンディングに挑戦しています。
期間は8/3~9/28、金額は250万円です。
これは、ここまですべてを手弁当で実施してきたみんなのデータサイトにとって、簡単な金額ではありません。
皆さんのご協力をお願いしたいのです」
平井有太さんは私が「美味しんぼ」の「福島の真実」を書く際にご協力頂いたライター・ジャーナリストで、原発問題だけでなく社会の様々な問題に取り組んでいます。
この「みんなのデータサイト」の「『図説』17都県放射能測定マップ集」は私が最初に述べた、「もう、あれから7年たつんだから」「そろそう、いいでしょう」なのかどうか、を考えるのに役に立つと思います。
私達の生活の安全性を確かめるのに大いに力になると私は信じています。
ぜひ、クラウドファンディングにご協力下さるようお願いします。
クラウドファンディングのサイトを以下に示します。
平井さんの言葉を最後にご紹介します。
「日本での日々は無力感に苛まれる日々です。
その中で、私たちは、せめて真実をかたちに残そうと、淡々と作業を続けています。」
皆さんの支援とご協力をお願いします。
雁屋 哲

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