雁屋哲の今日もまた

2012-04-15

今西憲之氏の本「福島原発の真実 最高幹部の独白」

 

週刊朝日に連載されている、今西憲之氏の「福島原発の真実 最高幹部の独白」が単行本になった。

(朝日新聞出版刊 1200円)

私は連載中、毎回スキャナーでコンピューターに取り込んで、保存してある。週刊誌を見開きでスキャンするためにA3対応のスキャナーを買った。

しかし、こうして単行本でまとめて読むと、まとまりが良くなっている分、迫力が違う。

日本の、新聞・雑誌・テレビなど、マスコミと言われている報道機関は、福島第一原発について、真実を伝えようとしない。

政府の意向に従って、隠蔽と、偽りの安心を振りまく事に腐心している。

しかし、この今西憲之氏の本は違う。

同じ朝日新聞社なのに、週刊朝日はがんばっている。

何十年も定期購読してきた意味があったという物だ。

この今西憲之氏の本を読むと、「収束宣言」など出した民主党政府が如何に国民を欺く政府であることが明らかになって、悲しみと怒りで発狂寸前になる。

特に、2号機と4号機はいつ何時、どんなことが起こっても不思議はない事がよく分かる。

私も、色々な方面から事の真実を伝え聞いている。

それらの話と、今西憲之氏の書いていることと一致する。

 

日本人は今、「ダチョウ症候群」にかかっている。

ダチョウは危機が迫ると地面に穴を掘ってその穴の中に頭を突っ込んでしまうそうだ。何も見なければ、危機もないことになる。

日本人は、ダチョウの真似はやめて、この今西憲之氏の本を読むべきだ。

真実を知らずに、適切な行動を取ることは出来ない。

目の前に危機が迫ってきているのに、それを見ないふりをしていたからと言って、危機からは逃れられない。

真実を知ることは勇気がいる。

しかし、真実を知らずに、政府や東電の、彼ら自身の保身のための嘘を真に受けていては、気がついたら死んでいた、などと言うことになりかねない。

日本人よ、勇気を持って、今西憲之氏の本を読め!

今西憲之氏の真正なジャーナリスト魂に敬意を表する。

普通のマスコミ関係者が怯えて入らない、福島第一原発の内部に入って行く勇気は最大級の賞賛に値する。

これこそジャーナリストではないか。

今西氏の原稿を載せ続けている、週刊朝日にも敬意を表する。

こういうジャーナリスト、こういう雑誌があることが、今の日本の救いだ。

 

雁屋 哲

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