雁屋哲の今日もまた

2012-04-13

ご無沙汰しました

長い間、ご無沙汰しました。

心身共に、色々難題を抱えてしまって、このページに書き込む余裕が無かったのです。

ブログと言う物は更新がないと読んでもらえなくなる、と言うことで気にしてはいたのですが、ちょっと難しい状況が続いています。

忘れられるといけないので、近況などお知らせします。

 

戻って来て、すぐに病院通いが始まりました。

そこで感じたこと。

 

4月9日に東大病院に行った。

予約時間が10時20分なので、横須賀市秋谷の自宅を7時45分に出た。

出勤時間にかかるので、早めに家を出たのだ。

ところが、高速道路から一般道路まで、がら空きで、自宅から本郷の東大病院まで、1時間7分で着いてしまった。

診察を終えて、東大病院の入院病棟の最上階にある、上野精養軒の出店で食事をした。

この店のハヤシオムレツが連れ合いの好物で、値段からしてなかなかの物だ。

その後、神保町に行った。

シドニーにいると本に飢えている。シドニーに持って行きやすいように文庫本を中心にあさった。

このときに驚いたのだが、最近の文庫本は高い。

以前は文庫本というと、安くて携帯便利だと言うのが利点だったが、今回文庫本の値段が、単行本と変わらなくなっていることに気がついて驚いた。

一冊が千円以上する文庫本が少なくないのである。

しかし、文庫本になる本と言うのは元々の本としての価値があるという証拠で、文庫本になっている本を買うと、外れが少ない。

特に、講談社の学術文庫は良い本がそろっている。

いわゆる古典的な名著が文庫本化して収録されているのは本当にありがたい。

古書店でしか求めることの出来なかった本まで文庫本にしてくれているので、嬉しいことこの上ない。

今回、20冊以上学術文庫を買ってしまった。

 

いや、言いたいのは、本の話ではない。

前に書いたように、横須賀市秋谷の自宅から本郷の東大病院まで1時間7分で着いた。

それは、道路ががらがらに空いていたからである。

東大病院から神保町までの道も異様に空いていた。

ご存じの方ならお分かり頂けると思うが、通常午後のどんな時間帯でも、本郷から神保町までの道は混んでいる。

ところが、その日は、いつも車で埋まっているはずの道が、がらんとしている。

「不思議だなあ」と連れ合いに言ったら、連れ合いは、「4月の新年度が始まったばかりだから、企業活動が活発ではないからじゃないの」と言う。

どうも、その説には同意しがたいと私は思った。

これは、単に経済が不調で、経済活動が衰えたからでないかと連れ合いに言った。

連れ合いは、悪いことを考えたくない性質なので、「新年度のせいよ」と言い張る。

 

9日にまた東大病院に行った。

今度は予約時間が1時半だったので、秋谷の家を11時40分に出た。

またもや、1時間ちょっとで到着した。

その日は、検査が多く、病院を出たのが午後4時半を過ぎていた。

会社の引け時近くで本来なら道は混んでいるはずである。

しかし、本郷から秋葉原に行くまでの間、驚くべき事に、私自身の走る車線から反対側の車線まで、殆どと行って良いほど車が走っていないのである。

自分の側の車線、反対側の車線、両方とも車の姿が見えない。

東京でこんな事があって良いのか。

昔、元旦に東京を走ったことがある。その時は東京中の道ががら空きで、東京を真横に横断しても30分とかからなかった。

東京という町は渋滞さえなければ、狭い町なのだ、とその時痛感した。

それと同じ感じを今回抱いたのだ。

もっと悪いことに、地震などが頻発している今の状況が頭にある物だから、前後左右に車が殆ど走っていないと、「何かがあって、みんなが避難してしまっているのに、それを知らない自分たちだけがこんなところをうろうろしているのではないか」と非常に心配になった。

しかし、どうやら何も天変地異が起こったわけではないと言うことを、秋葉原に到着して確認した。

だが、そこで再び不安になった。

「どうしてだ、どうして、東京中の道がこんなにがら空きなんだ。こんな事は見たことがない」

連れ合いは、相変わらず「新年度のせいよ」という。

私も、連れ合いのように思いたい。

思いたいが、「事実を認めよう」と言う声が私の心の中に鳴り響く。

これは、日本の景気が恐ろしく悪くなっているからではないか。

仕事がないのに、車で走る意味がない。

東京だけでなく、日本中、走っている車の数が減っているのでないか。

また、数日後に東京に行くのだが、その時もまた、道ががら空きだったら私の心配は当たっていることになると思う。

私は、恐れる。

日本の経済はひどく落ち込んでいるのではないか。

首都高速道路が、有料駐車場ではなくなり、本来の高速道路になったことをありがたいと思うと同時に、これは、危ないなと、私は心配でたまらないのである。

 

雁屋 哲

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