美輪明宏さんに捧げる、ロブスターのトリュフ料理
週刊朝日の4月18日号から三回にわたって連載された「美輪明宏『毒』演会」が、非常に良かった。
美輪明宏さんの、人物批評、世相分析など、ずばずばと正論一直線、向かうところ敵無しの気持ちよさ。
美輪明宏さんという人はよほど、人生を達観している人なのだろう。普通の人間だったら、怖いとか、遠慮するとか、躊躇するとか、妥協するとか、権力者におもねるとか、そのような卑怯な心の動きが出て来る物だが、美輪明宏さんのばあい、その様な汚らしい物が一切無い。
いや、汚らしいことを徹底的に嫌う人なのだ。
ひさびさに、まっとうな言葉の数々を読んで気持ちがすっきりした。
美輪明宏さんを初めてテレビで見たのは、私が中学生か高校生の頃だった。まだテレビはモノクロだったが、それでも、美輪明宏さんの美しさは、際だっていた。当時は、丸山明宏さんと言っていた。
まあ、その美しいこと。美貌はもとより、その体の美しいこと。
白いシャツ(シャツなんて無粋な言葉は適当ではないのかな)に脚にぴったりとした黒いパンツをはいて、背筋をまっすぐにして、鋭いきらきらした眼で周囲を睥睨して踊り、歌う。
私は、こんな美しい人間がこの世の中にいるのか、と感嘆した。
男女を超越した、全く美しい別世界の人間のように思えた。
その後、最初の「メケメケ」とはうって変わった「よいとまけの歌」を歌うようになり、ただ見た目に美しい人間と言うだけでなく、内面の美しさを表に出すようになった。
私はそれまでゲイという人間について全く知らなかったが、美輪明宏さんによって、ゲイの存在を知った。それはとても良いことだった。
おかげで、そこらのアホ男共が持っているゲイに対する偏見を持たずにすんだ。
もっともテレビなどでは、最近ゲイを売り物にする芸人が増えてきて、かなりの部分のそうした芸人が、汚い声で下品なことをおねえ言葉で喚き散らす。あれは不愉快だ。全く無内容きわまりない人間は、ゲイであろうとそうでなかろうと、やはり、愚劣なことしか言えない物である。それが日本の芸能界では、ゲイは治外法権と言うことになっているらしく、ゲイの芸能人が毒舌と称して他人を中傷して傷つける言葉をまき散らしても許されている。その手のゲイ芸能人は志もなく、この世にこびへつらって、演技として毒舌を振りまいているだけであって、自分自身の存在をかけて他人を正しく批判する勇気はない。
そこが、美輪明宏さんとの決定的な違いである。
大体、その様なゲイ芸能人がどれもこれもひどく不細工なのはどう言う訳か。ある時、美輪明宏さんがその様なゲイ芸能人に「あなたのようなブスのおかまには分からないだろうけれど、私のようなきれいなゲイには色々苦労があるのよ」と言ったときいて快哉を叫んだ。
良くぞ、言ってくれた。あのように厚かましく、騒ぐだけのゲイ芸能人にそんな鉄槌を下せるのは美輪明宏さんだけだ。
(あ、ピーターさんは別。ピーターさんは人の悪口を言わないし、相変わらず美しい。おまけに、私の横須賀の家のご近所にお住まいと聞いて、嬉しくなった)
私は、週刊朝日が、ぜひ、毎週一頁、美輪明宏さんに自由に語らせるページを作るべきだと思う。
私は週刊朝日をこの三十年以上定期購読している。朝日新聞も、AERAも、論座もだぞ。シドニーに来てまで、定期購読して居るんだぞ。
この古い読者が、週刊朝日を愛しているから言っているんだ。
美輪明宏さんのページを直ちに作りなさい。
いま、これだけの、洞察力に満ちた、正しいことを言う人は滅多にいない。他の週刊誌に取られないうちに(まてよ、もう取られているのかな。)それでもかまわない。週刊朝日には絶対に必要なページだ。
しかし、週刊朝日に美輪明宏さんを毎週出す勇気があるかな。
最近、週刊朝日は、右顧左眄が目立つからね。
ジャーナリストとしての、厳しさが薄れているよ。
美輪明宏さんのページを作ったら大いに讃めてやるぜ。
週刊朝日よ、どうするね。
そうだ、ついでに週刊朝日に文句を言おう。どうして「ロダンの心」を止めたんだ。
バンダナを首に巻いた可愛いラブラドールのロダン。
あのロダンの可愛さを、毎週待ちこがれていた我が家一同の気持ちをどうしてくれる。
私達家族だけではない、日本中のロダンファンが泣いている。
はやく、ただちに、「ロダンの心」を再開してください。
週刊朝日ついでに言うと、4月25日号に載った「福田首相が『胃ガン』を打ち明けた夜」という記事には驚いた。
驚いたのは、福田首相がガンだったと言うことではない。
あの年でガンの一つや二つあっても、特別なことではない。
驚いたのは、朝日、毎日、日経などの有名かつ有力記者、TBSなどの有名ニュースキャスターなどが、福田首相を囲んで豪華な夕食会を年に二三回持っていると言うことだ。その席上で、福田首相は何年か前に胃ガンの手術をした、と言ったのだ。
その日のレストランも、人気の高級レストランで、高級ワインもがぶがぶ飲んだという。
一体日本のジャーナリストの感覚はどうなっているのか。
人間というのは弱い生き物で、一緒に何度も食事をしたりすると、その人間に対してきついことを言えなくなる。
私自身、ある男のことをぼろくそに書きたいのだが、その様なことをすると私自身の品位をおとしめることになるし、それに一度か二度、その男と食事をしたことがあって、それが、私の肘を押さえるのである。(食べ物のお金は私は自分の分は自分で払いましたよ)
ところが、各新聞を代表する大記者、テレビの有名キャスターなどが、首相と贅沢な宴を持つ。
情報を得るために会談を持つとか、頻繁に合うとか言うのは分かるが、こんな懇親会と言うより私的な宴会に何度も出席していいのか。
そりゃ、駄目だろう。
福田首相でもこんなことをしているからには、他の政治家も同じようなことをしているに違いない。
これで、日本のジャーナリストが、腰抜けであることが分かった。
政治家と、豪華フランス料理を食べ、豪華ワインを飲み、でろでろしている様な記者や、キャスターが、政治家をまともに批判できるわけがない。(会費は自分たちで払ったんだろうな)
読売の某渡辺という社主は(今の肩書きは知らない)政治部記者として自民党の政治家とつき合う内に、どっぷりと自民党の湯に浸かり、新聞記者なのか、政治家なのか分からないようになってしまった。
私は、今でも憶えているが、中曽根氏が首相になった夜、NTVの番組にその某渡辺という社主が出て来て、ある大学教授兼政治評論家と話をした。その中で、大学教授が中曽根新首相を批判すると、某渡辺という社主は、傲然と威嚇するように、馬鹿にするように、その教授に言った「あんたたちなんか、我々がテレビに出してやってるから食えるんじゃないか」
随分昔のことで、一つ一つの言葉は正確ではない。しかし、言った言葉の意味は、その通りの物だった。
言われた、教授は言い返す気力もなく、弱々しい笑いを浮かべて黙ってしまった。
私はこれが日本一の部数を誇る新聞社の社主の姿かと茫然となった。
あとで、色々な政治の裏幕物を読むと、この某渡辺という社主が様々な政治工作を自民党のためにしていたことが書かれているので、日本という国が本当に厭になった。
その某渡辺という社主は、「中曽根を首相にしたのは俺だ」と豪語しているとも聞いた。こんな連中に日本と言う国は支配されているのかと思うとしみじみ悲しい。
読売新聞の某渡辺という社主の言動以来、日本のジャーナリストは当てにならないと確信していたが、4月25日号の週刊朝日を読んであらためて日本のジャーナリストは屑だと痛感した。
週刊朝日の編集部としては、福田首相がガンだったという、スクープを物にしたと、悦に入っているだろうが、私は、おかげで、日本のジャーナリストを絶対に信用してはならないと言う教訓を得て、有り難かった。週刊朝日よ有り難う。しかし、きみたちも、その日本のジャーナリストの仲間。一つ穴のむじな、なのかな。
そうはならないように、頑張ってくださいね。
とりあえず、美輪明宏さんのページ創設と、「ロダンの心」の再開をぜひお願いしますね。
それだけで部数は十万は伸びます。請け合います。私の言う事は常に正しい。私の言う事を信じなさい。
あ、美輪明宏さんに、一つだけ。
私は霊魂とか、生まれ変わりとか言う話は、まるで理解できないんです。アレルギーがあると言っても良い。そこの所が、美輪明宏さんとは食い違うところです。
で、今日は、美輪明宏さんにご馳走するつもりで、我が家の特製、ロブスターのトリュフソース、をご紹介しよう。
こんな、ロブスターを使います。
それを熱湯で茹でる(おお、残酷)。我が家の庭の高温専用コンロの調理場なので、背景が汚いのはご勘弁。
ゆで上がるとこんなに真っ赤になる。
その尾の身を剥がす。
こんなにきれいに剥がれます。
それを、メダリオンに切っていく。
このような、ロブスターのメダリオンが出来る。
そのメダリオンを、バターで焼いて、マッシュルームとインゲンの上に乗せる。
その周りに、トリュフを刻んだ物をふんだんに入れたトリュフソースをかける。
その上に、薄く切ったトリュフをたっぷり載せて出来上がり、
ソースにもたっぷりトリュフが入っているし、新鮮なトリュフの薄切りを三枚も載せているから、そのトリュフの素晴らしい香りで、目眩がしそうに美味しい。私はトリュフ狂なので、トリュフの季節になると自制心を失ってトリュフを買い込んで色々とトリュフ料理を作る。
その内、別のトリュフ料理をご紹介しよう。
このページ、美輪明宏さんが見てくれたらなあ。
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