雁屋哲の美味しんぼ日記


パレスティナ問題 その10

2008年7月27日(日)@ 18:20 | 雁屋哲の美味しんぼ日記

〈「美味しんぼ塾」に「嗜好品 その2」を掲載しました〉

 今日は朝から良い天気だったのに、午後から突然雷が轟き、ヒョウが降り始めた。
 この晴天から、雷・ヒョウというのはシドニーで良くある天候の変化で、もう驚かないが、最初は本当にうろたえた。
 東京や神奈川では、ヒョウなんて降った覚えがないくらいだから、ビー玉くらいの大きさのヒョウが降ってくると、本当に怯えてしまう。
 今日のヒョウは豆粒くらいの小粒だったから被害はないだろうが、ときに、テニスボールくらいの大きさのヒョウが降ることがあり、そうなると木の枝はなぎ倒され、家の屋根は壊れる。もちろんガラス窓は全部吹き飛ぶ。
 今日は何ともなくおさまって何よりだった。

 さてパレスティナ問題に再び取りかかろう。
 2008年4月30日から、三日続けて朝日新聞で、パレスティナ問題を特集していた。
 なかなか、要点を良くまとめてあるので、それを利用させて貰うことにする。
 まず、そこに掲載されている、パレスティナをめぐる動き、と言う表を写させて貰う。

パレスティナをめぐる動き
1947年11月 - 国連がアラブ・ユダヤ分割決議。
1948年5月 - イスラエルが独立を宣言。第1次中東戦争。
1967年6月 - 第3次中東戦争。イスラエルがヨルダン川西岸、ガザ、ゴラン高原などを占領。
1987年12月 - 西岸、ガザで、パレスティナ人の抵抗運動(第1次インティファーダ)
1993年9月 - オスロ合意。翌年暫定自治開始。
2000年7月 - 米仲介のイスラエル・PLO中東和平会議が決裂。9月末に第2次インティファーダ。ハマスなどの自爆テロが頻発。
2003年4月 - 米、EU、ロシア、国連が2005年のパレスティナ国家樹立を目指す中東和平構想を発表。
2005年9月 - イスラエル軍、ガザ完全撤退。
2007年6月 - ハマスがガザ制圧。

 ちょっと短くまとめ過ぎの感もあるが、イスラエル独立後のことを細かく書き出すとえらく面倒くさくなるので、その辺は興味のある方がご自分で本などお読みいただくことにして、問題は、原因と、現状なので、今までの動きはこのまとめで良しとする。

 さて、私が6月20日から22日まで、私が去年イスラエルに行ったときの話を書いた。忘れた方は、もう一度読み返してください。

 イスラエルで、パレスティナ人たちの惨めな状況を見て、私は非常に大きな衝撃を受け、パレスティナ問題を自分の問題として考えなければいけないと思った。
 その時は、イスラエルのパレスティナ人の取り扱いに逆上して、イスラエルに対して憤激した。
 しかし、パレスティナ問題を調べるにつれて、とてもこれは、イスラエル一人を悪者にしてすむ話ではないと言うことが分かってきた。

 双方の言い分を聞けば聞くほど、これは複雑怪奇で、私はどう手をつけて良いのか分からないと、頭を抱えた。

 とにかく、ユダヤ人もアラブ人も、凄まじく強烈な性格で、ともに一切妥協をしようとしないのだ。
 これまで、アメリカ、など様々な国、更に国連なども、パレスティナ問題の解決に協力しようとしてきたが、上手く行きそうになっても、結局駄目になる。
 互いに自分の言い分を主張して譲ろうとしないのだから、話がまとまるわけがない。

 一体どうして、ここまでもつれてしまっているのか。
 その根底にあるのが宗教だ、と私は思う。

 朝日新聞の4月30日のパレスティナ問題の紙面には、ガザを支配するハマスの次の言葉が載っている。
「(イスラエル領を含む)パレスティナ全土は神からイスラム教徒に与えられた。神の決定は覆せない」
 これは、ガザのパレスティナ人の共通の思いだろう。

 同じ5月1日の紙面には、アメリカから移住してきたユダヤ人男性の次の言葉が載っている。
「パレスティナは神からユダヤ人に与えられた土地だ」
 これは、イスラエルのユダヤ人、シオニストの第一の信条だ。

 両方が、この土地は神から、自分たちが与えられた土地だ、と主張している。
 両方共、神を持出す。
 どんなに、討論をしても、最期に神の問題が出て来れば、どうにも動きが取れない。

 パレスティナ問題の根底は宗教問題だ。
 では、ここまで、イスラエルとパレスティナ人を妥協の余地がないほど対立させているそれぞれの宗教はどんな物なのだろう。
 イスラエル・ユダヤ人にとってのユダヤ教。
 パレスティナ人・アラブ人にとってのイスラム教。

 パレスティナ問題を考える前に、このユダヤ教徒イスラム教の問題を考える必要がある。

(続きは明日)


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