Fマリノス、アントラーズと引き分け、でも楽しかった。
《この直前の回に、「在特会」についての書き込みをしてあります。そちらもお目通し下さい》
5月3日 Fマリノス対アントラーズ戦、楽しんできた。
流石に対アントラーズ戦ともなると、人気がある。
入場者数は4万人を越えた。
私と、友人夫婦、連れ合いの甥、の五人組である。
そもそも、この友人「と」が私をサッカーに引き込んだ張本人である。
1998年、当時日本の航空貨物会社のロンドン支店に勤務していた「と」が、ワールドカップ、フランス大会に誘ってくれた。
私は、一旦ロンドンに行き、そこから日帰りでナントでの全日本対クロアチア戦を見に行った。
日本代表が初めてワールドカップに出場した記念すべき大会である。
その時、日本は、1-0で、クロアチアに負けた。
負けた後、競技場から駐車場までの長い道のりを歩くときの悔しさ・辛さと言ったら無かった。
それ以来、私はワールドカップは南アフリカ大会をのぞいて欠かさず観戦に行っている。
南アフリカ大会は、開催地が南アフリカと決まった段階で、行くのを止めた。
あの国で、ワールドカップを開くべきでないと思ったからだ。
次回ブラジル大会は絶対に行く。
さて、その「と」であるが、競技場で席に着いてから、飛んでもないことを告白した。
アントラーズのサポーター席側の、競技場のフェンスを見ろと言う。
見たら、なんと、ゴールのネットの裏のフェンスに「と」の会社のロゴが表示されているではないか。
「と」の会社は、アントラーズのスポンサーだったのである。
「ここに、裏切り者がいた」と私が騒いだら、「と」は「それは、アントラーズの元々の親会社が自分の会社のお得意様なので、会社としてお得意様の顔を立ててスポンサーになったのであって、私自身はマリノスを応援しますから」というので、許してやった。
試合は、最初にアントラーズに先制され、そのまま、アディショナル・タイムまで、マリノスは無得点、日産スタジアムは重苦しい空気に包まれた。
しかも、アディショナル・タイムになって、FWのマルキーニョスを下げて、DFのファビオを入れた。
私達は、「どうして、この期に及んで、FWを下げてDFを入れるんだ」といぶかったのだが、なんと、交代してすぐにファビオが同点ゴールを決めたのだ。
中村のFKをゴール前で、マリノスとアントラーズの選手たちが、まるでオットセイの曲芸のようにヘディングでぽんぽんとついて回し合い、最後にアントラーズの4番山村だと思うが、矢張りヘディングで後方にクリアしたかと思ったところにファビオがいた。
クリアしたと思ったボールを捉えて見事なボレー・シュートでボールをゴールに蹴り込んだ。
その時の、日産スタジアムの騒ぎと言ったら、凄かったね。
アントラーズに点を取られたときには、アントラーズのサポーターは驚喜して騒いだが、四万人の観衆の内、アントラーズのサポーターが1万人近くいたとして、残りの3万人以上のマリノスファンは、悲鳴を上げた人達をのぞいてしんと静まって声もなかった。
沈痛なという形容が当てはまるような静まりかえり方だった。
それが、もう駄目かと半ばあきらめかけたアディショナル・タイムにファビオが得点してくれたものだからたまらない。
それまで92分の鬱憤が一気に吹っ飛び、喜びが爆発した。
私も立ち上がって両手を高く突き上げて、大声で喚きました。
競技場が爆発しましたね。
いやあ、勝てなかったのは残念だが、最後に同点にしてくれて良かった。
ファビオも前回甲府戦でのクリア・ミスで同点にされた失敗をこれでチャラに出来て良かった。
勝てなかったが、この試合、中村俊輔の素晴らしい技に魅せられた。
「と」夫婦も、私達夫婦も、甥も、中村の凄い技を見られただけで今日観戦に来た甲斐があったと言い合った。
中澤もよく働いた。
中澤がいれば守りは絶対に安心。
Bomberとしての得点はなかったが、とにかくいてくれるだけで、安心という存在は大きい。
逆に言うと、中村俊輔と中澤佑二がいなかったらFマリノスはどうなるのか、それが心配だ。
今回のマリノスのサポーターは応援を途切れさせる事なく、勢い良く続けてくれて有り難かった。
ただ、前回注文を付けた観客席との連帯だが、これは日本のサッカー風土のせいなのだろう。観客がサポーターと一緒に声を合わせて声援することの楽しさを日本の観客は知らないのだ。
Western Sydney Wanderersのサポーターたちは、観客に応援を促す。「さあ、左側の客席の人たち、行こうぜーっ!」と呼びかける。
観客もその呼び声に答える。
サポーターたちは「今度は右、左」という具合に観客に声をかけるが、それも最初の内だけで、そのうち会場全体が自分たちからサポーターに同調して激しい応援をサポーターの音頭の元に休みなく繰り広げる。
それは、観客として楽しいもので、試合を見る楽しさに加えて、思い切り声を上げて応援する快感を味わえる。
私達も実は、Western Sydney Wanderersの試合を観戦に行くときには自分たちもその応援の熱狂に加わる快感を味わうのが、楽しみなのだ。競技場全体が一つになって大声で歌い、声援を送るのは実に気持ちがよい。
この快感を日本の観客が知らないのはもったいない。
マリノスのサポーターの皆さん、なんとか競技場全体の観客を巻込む手段を考えて頂けませんか。
競技場全体がサポーターと一緒に声合わせて応援すると、これは観客に観戦の楽しみを更に盛り上げる喜び・快感を与えるし、選手たちも盛上ると思う。
今回、アントラーズのサポーターも良くやった。
試合開始1時間半前から、競技場の外まで聞こえる応援を始めていた。
鹿島から良くもあれだけ大勢のサポーターが来てくれたものだ。
そのお礼に、私と「と」は、こんどは鹿島のホームにマリノスとの試合の応援に乗込もうと計画している。
アントラーズには小笠原がいるんだもんなあ。
マリノスの攻撃を小笠原は実に見事に潰してくれた。
そして、キーパーの曽ヶ端がやはり凄かった。
敵ながらあっぱれと言うしかない働きをしていた。
まあ、あの試合、引き分けに持込んだの大収穫だ。
まだ1位の大宮との差は、勝ち点3、勝ち数差は1。
今期は、このままばりばり勝ち進んで、必ず優勝だ!
私も、去年なり損なったファンクラブの会員にもなったし、これからもFマリノスと一緒に頑張るぜ!
帰りは、関内の「横浜おいしんぼ横町」の「登良屋」で夕食。
ここは天ぷら屋なのだが、魚が凄い。
かつお、しまあじ、わらさ、の刺身、キンキの煮付け、を天ぷら以外に食べたが、その刺身が驚くべき美味しさ。新鮮で香りも味も良い。まるで、どこか、漁港前の店で食べるみたいに新鮮だ。
一切れの厚さが、普通の高級料理屋の三倍はある。
その切り身の角が、ピンと鋭く立っている。
魚が新しく、料理人の腕が確かな証拠だ。
味噌汁も、出汁は煮干しで取ってある。化学調味料の味などしない。
全てに実に美味しい、たいした店だ。
サッカーで楽しんで興奮して、美味しい物を食べて更に幸せになる。
楽しかったなあー。