雁屋哲の今日もまた

2011-01-18

勝つには勝ったけれど

 17日の日本対サウジアラビアの試合。
 近頃これだけ、空気の抜けた国際試合という物は見たことがない。
 サウジアラビアが国を挙げて戦意を喪失してしまったんだな。
 スタジアムにサウジアラビアのサポーターの姿は殆どなく、客席は閑散としている。
 すぐ隣の国なんだから、サウジアラビアから、カタールまで来るのは訳がないはずなのに、全然いない。
 前回の、対シリア戦の際のシリアの応援団のような騒ぎも何も無い。
 気合いが入らないこと甚だしい。

 サウジアラビアでは、最初の敗戦で監督は辞めさせるし、今度はサッカー協会の会長まで、首にして、何人もいる王子の一人が後釜に座った。
 そう言う国内での、諦めが、選手にも伝わっているのだろう。
 前半8分過ぎに岡崎に最初の点を取られると、20分までに三点も取られてしまう有様。
 後半に入ると、開始6分ほどで前田が得点をする。
 後半35分には、岡崎がハットトリックを達成。
 これで、5-0だ。
 あまりに一方的な試合に、オーストラリアのアナウンサーは「練習試合みたいですね」という。
 とにかく、こんな気の抜けた試合は初めて見た。
 余り一方的に日本が攻めるので、とうとうオーストラリアのアナウンサーは「これじゃ、海水浴場の射的ゲーム屋だ」とまで言った。

 5-0で勝ったのは嬉しいが、この5点の内、2点でも3点でも、次の試合に持ち越せないだろうか。
 川島、松井、それに本田まで欠いて、ゲームが始まるまでは一体どうなることかと大いに不安だったが、試合が始まってみると、「あれれ、何だこれ?」とあきれるばかり。
 対シリア戦の様な、神経をすり減らすような思いもいやだが、こんなお葬式みたいなゲームもいやだな。
 適当にはらはらさせて、最後はきっちりと勝つ。
 それでこそ、満足出来るという物で、昨日の試合は、なんというか、前の日にコップについで飲み残して日向に置いておいたビールのように、何の刺激もなかった。

 でも考えてみれば贅沢だな。
 勝ったんだから、素直に喜ぼう。
 良かった、良かった。

 それにしても、香川はおかしいね。
 運動神経が狂っているんじゃないのか。
 下らないミスを繰返す。俊敏さがない。
 普通じゃない。
 岡崎は、いつも、スーパー・サブだなんて言って、先発出場をさせて貰えなかったが、今日の働きで、監督の評価が変わるんじゃないか。
 本田より、遙かに鋭かった。(まあ、昨日のサウジアラビア相手では、はっきりとした判断は下せないけれどね)
 非常に良かった。
 前田も、今までに何度もシュートを惜しいところで外していたのが今日は2本決まって溜飲を下げただろう。
 良かったね。

 こうなりゃ、優勝しかないね。
 次の試合は、きっと、はらはらするだろうな。
 そこで、しっかり勝つ。
 うう、次の試合が楽しみだ。(しかし、これでは、仕事が進まない。助けてくれ)

雁屋 哲

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