シドニーでこたつ
福沢諭吉の続きを書きたいのだが、「美味しんぼ」の「環境問題篇」の原稿書きが始まってしまったので、とても両方は手が回らず、今回は福沢諭吉の話はおやすみ。
日本は大変に暑いようだがシドニーは寒い。
何しろ南風が吹いてきますからね。
日本で南風というと、赤道方面から吹いてくるから暑い風だが、こちらで南風と言うと、南極から吹いてくるから、これは寒い。
薪ストーブをがんがん焚いて、しかもその前で娘たちは、電気こたつに入ってテレビを見ている。
日本にいる時にはこたつなんて使ったことはなかったのに、数年前に、しばらくこちらに滞在していて日本へ帰ることになった人から貰ったのがきっかけで、娘たちはこたつを喜んで使うようになった。
「やっぱり、日本人はこたつよねー」などと娘たちは言うが、実は私自身はこたつになじみがない。
私は六歳の時に股関節結核を患って以来、畳の部屋に座るのは苦手だから、掘りごたつならともかく、置きごたつは使えない。
しかも、私の父は石炭会社に勤めていたので、毎年会社から物置き一杯分の最良質の石炭が配給になる。
その石炭で、風呂も沸かしたし、冬になればストーブを焚いたので部屋中汗ばむほど暖かかった。
こたつは脚は温かくても背中は寒く、しかも、こたつから出るともっと寒いのでこたつにしがみつくことになって、極めて不活発だ。
秋谷の家も、こたつを使う必要のない暖房形式だった。
シドニーは、薪ストーブを燃やすからそれだけで充分のはずだ。
娘たちも、日本へ帰る人から貰うまでこたつを使ったことはなかったのだ。
それなのに、一旦こたつを使い始めると、なんと言うこと、こたつにしがみついて離れない。
ストーブを焚きながらその横でこたつにはいるとは何事だ。
こう言うのを日本人のDNAと言うのだろうか。
この、二、三年、シドニーでも結構美味しいミカンが食べられるようになってきた。
そのミカンをこたつにおいて食べながらテレビを見ているんじゃ、そのまま日本の風景だ。
しかも、どこからか手に入れてきた日本の駄菓子を何種類も食べている。
子供の頃、私は、子供たちの健康を考えて、甘い物はおやつの時間と、食後だけ、と制限していた。
その反動だろうか、子供の時には私が絶対に許さなかった駄菓子を盛大に食べている。日本から来る友人に貰ったり、日本食品を売っているスーパーから買ってくるらしい。
どこからどう見ても、これは日本の冬の家庭ドラマの雰囲気だ。
私の両親は私の脚のことを考えて、椅子、テーブル、ソファを使う生活様式にしてくれていたので、私自身には全くなじみのない、よその家やテレビ・ドラマの中でだけ見たことのある日本の冬の光景だ。
だから、娘たちがこたつに入って楽しそうにしているのを見ると、違和感を覚えるのである。
ところで、突然話が飛びますが、自民党はずたぼろになってきましたね。選挙対策委員長まで、逃げ出してしまうんじゃどうなるんだろう。
しかし、ふと考えたんだけれど、これは、意外に、自民との深い考えに満ちた作戦かも知れないね。
ここまで、自民党が駄目だ、自民党が駄目だ、とみんなが騒ぎ立てると、それに反発する人や、やはり民主党では心配だと思う人、自民党が負けたら淋しい、などと思う人の心を引き寄せるかも知れない。
昔の武術の極意に、皮を切らせて肉を切り、肉を切らせて骨を断ち、骨を断たせて命を絶つ、というすさまじい物がある。
今自民党はそのすさまじい武術の極意を出動させようとしているのだろうか。
それにしては、連中の顔つきがなあ・・・・・・。
あんな、とろぺったりした顔をしていてはネエ。
いや、あの既にしてガスが漏れたような顔をするのも計略の一つかも知れない。
投票日が8月30日。私が今度日本へ戻るのは9月6日。
投票日には間に合わない。
手術後の半年検診があるから帰れないんだ。
今回は投票したかったけれど残念だ。
私の選挙区は、小泉元首相の選挙区ですよ。
自民党をぶっ壊すと言った人間が、自分の息子を後継者として自民との代議士に立てた。
小泉氏は正しい。確かにこうしたことを繰返していたら自民党はぶっ壊れる。
もっとも、その前に、小泉氏のおかげで日本はぶっ壊れてしまったけれど。
またまた話は飛ぶが、寝る前に蜂蜜を二さじほどなめると肝臓にいいそうだ。
ローワン・ジェイコブセンの「Fruitless Fall(実りのない秋)」、日本の書名は「ハチはなぜ大量死したのか」(こっちの方が怖いね)の本の附録の4に、「蜂蜜の治癒力」というのがある。
それは、最近酒を飲みすぎで肝臓の値の良くない私にとって嬉しいことが書いてあった。
グリコーゲンは脳の燃料で、燃料がないと脳は死んでしまう。
しかし、脳にはグリコーゲンの備蓄は常に30秒分しかない。
だから、肝臓は夜も昼もグリコーゲンを脳に供給し続けている。
したがって、夕食を早めに食べて寝る前に何も食べないと、肝臓のグリコーゲン備蓄量は夜中に欠乏してしまう。
すると、体は筋肉組織を溶かしてグリコーゲンに変えて脳に補給するが、こうなると、体中のホルモン分泌のバランスは崩れ、糖尿病、免疫崩壊、加齢の促進、などに陥る。
で、どうするか。
夜寝る前に、スブーン一杯の蜂蜜を取るだけで全ては解決するのだそうだ。
スブーン一、一、二杯の蜂蜜を取ると、深い睡眠、体重減少、長期にわたる健康が手に入るという。
もちろん、肝臓はたっぷりグリコーゲンを受け取るから、無理をしていたむことはない。
おほ、更に驚くべき事に、子供の学習能力をまだ高めるとさ。
それなら、私の頭も少しは良くなるかも知れない。
ってんで、さっそく、今日から書斎に蜂蜜の瓶とおさじとコップを持って来ました。
娘や連れ合いは「お父さん、一杯か二杯よ。」「沢山飲んじゃ駄目よ」「お父さんはちょうどいいと言うことを知らないんだから」という。
うるせいやいっ。
さて寝ようか、となって、今、蜂蜜なめました。
余り美味しいので、三杯なめちゃった。
これで安楽に休んで、明日は元気溌剌、「美味しんぼ」の「環境問題篇」に取り組めるでしょう。