雁屋哲の今日もまた

2009-04-05

六年二組の和歌山旅行

 六年二組の自慢話です。
 いつも自慢しているんだが、私達1955年卒業の田園調布小学校六年二組の同級会は常に活発に行動している。
 この、4月2〜4日の2泊3日で、和歌山旅行を楽しんできた。
 2009年4月現在、ビッグコミックスピリッツで「美味しんぼ」の「日本全県味巡り・和歌山県篇」を連載中だが、その取材は去年の10月から11月にかけて行った。
 その時出会った素晴らしい味を同級生たちに話したら、自分たちも味わいたいという。
 そこで2つの場所に、同級生たちを連れて行った。それが、どこなのか、まだ、連載中なので、今日ここでは話せない。(今回の旅行が、2泊3日と限られていたので仕方がない。他にもつれていきたいところが山のようにあったのだが)
 とにかく、いつものことだが、六年二組の旅行は最高なのだ。
 今までに、「美味しんぼ」の中にも実名で何度も登場しているので、ご存じの方もおられると思う。
 凄いのが、全員、2009年で、平均年齢が65歳を超えたことで、残念ながら、中には体調を崩して旅行に参加出来ない人間もいたが、仕事やそれ以外の理由で参加出来ない人間を除いて、今回は13名参加した。
 我々の同級会の面白さは、勝手気まま、と言うところにある。
 毎回、幹事が金の計算や、旅程などで頭を患わせるが、我々幹事以外の人間は、幹事の言うとおり動くだけ。と言ってもみんな、勝手気ままに動き回り姿を消したりするので、幹事を引き受けた人間の苦労は大変だ。

 私の推薦した料理は二組のみんなが、絶賛してくれて、私も大いに面目を施すことできた。
 この料理の件に関しては、連載中の「美味しんぼ」にそのうち出るので、それでご勘弁下さい。雑誌に登場以前に書くわけにはいかないのですよ。

 しかし、「美味しんぼ」を良く読んで下さっている方にとってはこの「六年二組」は、おなじみだと思う。
 京都での「竹の子山」、椎茸の「椎茸山」、蛤の話、など、我が六年二組の連中は活躍してくれている、
 そんなの公私混同じゃないかと言われるかも知れないが「美味しんぼ」は究極の公私混同漫画なのである。

 われわれ六年二組がどうして、仲良く頻繁に楽しい会を持つことが出来るのか、それは、この間3月2日の24人集った会を例に挙げて見よう。
 まず、一同集る。
 適当に席を決めて座って飲み食いを始める。
 一旦飲み食いが始まると、それで、もう、席は乱れる。
 それぞれ勝手に動いて、数人固まって自分たちの興味を持っている事柄を熱狂的に話す。ところが、それが、五分も経つと、その人間たちがまたバラバラにどこかに別れて、あらたに話の輪を作る。
 話題も変化に富んでいる。
 現在の教育問題、長唄と民謡の話、ゴルフコースの支配人の苦労、航空幕僚長の愚かさ、パキスタンの安全情報、など、話が広がって止まらない。

 しかし、とにかく楽しい。
 それは、たとえば政治的に厳しい議論になっても、必ずその過熱を止める人間がいるからだ。

 自画自賛させてもらうが、六年二組のような仕組みだったら社会に争いは起こらないと思うのだ。
 自分の言い分を誰彼構わず受け入れさせようとする原理主義者。
 人のことも考えず自分の利益だけを考える強欲資本主義者、日本の歴史をねじ曲げる人間。
 そう言う人間は六年二組は拒否する。
 我々六年二組は、ただひたすら、のんびりと、明るく、楽しく、正しく、美しく、生きて行きたいと思っている人間ばかりなのだ。

 とはいえ、それぞれに、この厳しい世の中を生きて来た人間だ。
 それぞれの、実際の社会生活では、きれい事ではすまされないことの方が多かったに決まっている。
 だから、我々は六年二組に帰ってくると、ほっとするのだ。
 ここに、私達の本当の姿がある。我々の本来の姿はここにあるのだ。

 お互いに乱暴なことを言い合っても、それが絶対に相手を傷つけていないという安心感。
 互いが、互いを本当に心から思い遣ることの出来る世界。
 それが、われわれ六年二組なのだ。
 六年二組について、自慢し始めるととどまることがない。
 我が家でも、「今日は六年二組の会だから」というと、家族全員に「楽しんでいらっしゃい」と言われる

 私にとって、「六年二組」は人生の最大の宝物の一つである。
「和歌山県の次はどこに旅行に行こうか」と二組連中は計画を立てている。
 どこに行っても、六年二組の仲間と一緒なら楽しい。

 4月の2〜4日和歌山での3日間は最高に楽しかった。

雁屋 哲

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著書紹介

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シドニー子育て記 シュタイナー教育との出会い
美味しんぼ食談
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美味しんぼア・ラ・カルト
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