雁屋哲の今日もまた

2019-09-26

悲憤

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に木村巴さんの、憤怒について書きました。

どうか、もう一度読んで下さい。

 

その木村巴さんが、新作「悲憤」を発表しました。

どんな作品か、青木巴さんご自身の言葉を、記します。

「今回の題名は『悲憤』です。目にし、耳に入る情報は怒りを感じると同時に悲しくなるほど情けなくなることが多く、その思いを作品にして発表いたします。」

その「悲憤」の写真を掲載します。

クリックすると大きな画面になります。

悲憤

 

 

 

 

 

「憤怒」シリーズも素晴らしかったけれど、この「悲憤」は、「憤怒」を更に越える傑作です。

この人物は二つの顔を持っています。

向かって左の顔が憤激、右の顔が悲嘆。

あわせて、悲憤です。

上体を大きく誇張して書いているので、この人物は異常に大きく見えます。

地球上に降りたって、人びとのの悲嘆と憤激を一身に引き受けている人間であるように見えます。

足元にはこの世の出来事を知らせる新聞記事がズタズタに裂けて散乱しています。

遠景には、国会議事堂を始め、この男性に「悲憤」の情を抱かせる、この世が絵がかれています。

この世の中の様々な出来事が、この人物に、悲嘆と憤激を抱かせるのです。

足元には、お約束の可愛い猫ちゃんがいます。

前回の「男組と私」にも書きましたが、今の日本の社会は「ドブ泥」のような社会です。

この人物は、その「ドブ泥」のような社会に突っ立って、激しく悲しみ、激しく憤っています。

この怒りは強烈で、悲しみは深い。

今この日本の社会で生きている私達は憤激と悲嘆に捉えられている。

この絵は、ドブ泥のような社会で生きている私達の気持を代弁するものです。

どんな行動をするにしても、まずは、この「悲憤」が出発点です。

この「悲憤」がなくては、このドブ泥のような社会に対して何をすべきか、その回答が見つかりません。

 

この「悲憤」は、9日月27日~10月5日、上野の東京都美術館「創展」に於いて展示されます。

是非、見て下さい。

 

 

 

 

 

雁屋 哲

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