雁屋哲の今日もまた

2010-07-13

前回の翻訳について

 次女が、今日「お父さんの、記事の綴りの間違いを直して置いたわ」と言った。
 前回の私の書いた記事の中の英語に綴りの間違いを発見して直してくれたのである。
 なんと、私の子供たちは、私の知らぬ間に、私のブログの管理人の権限を持っていて、子供たちが私のページの間違いを直してくれるのである。
 親馬鹿をさらして大変に恥ずかしいが、自分のブログの間違いを子供が直してくれるとは、こんな父親は滅多にいないだろうと、本当に有り難いと思うのである。
 しかし、さらに、次女は、私のブログの中の、英文の解釈にも異議があるという。

 それは、

「As the party’s leader, he(岸信介)allowed the CIA to recruit and run his political followers on a seat-by-seat basis in the Japanese parliament.」

 の部分だ。

 私は、この「followers」は既に岸信介の派閥に属した人間、即ち、岸の配下、と読んだのだが、次女は、文藝春秋社版の様にも読めるという。

 さあ、大変だ。
 親馬鹿を更にさらしてお恥ずかしいが、次女の英語力は同年代のオーストラリア人の標準より高いし、日本語能力も、同年代の日本人に劣らない。
 その次女に、異議を唱えられては大変だ。
 そこで、もう一度、ブログ上ではなく、実際の二つの本を取り出して比較して貰った。
 次女は両方の本を読み比べてずいぶん慎重に考えていたが、「普通に英語として流して読んだら、お父さんの読み方でよいと思うが、この文章だけを取り出したら、文藝春秋社版の様に取ることも可能だ。」

 という。

 問題は、この「his followers」の取り方だが、私は、「既に岸信介の派閥に属する人間、即ち岸信介の配下の人間」、と取った。
 次女は、「その時岸の配下にない一般議員をも岸のfollowersにするためにCIAが動いた」、とも取れるという。
 一番引っかかるのが、最後の「in Japanese parliament」という言葉だ。
 これがあるから、「議員一般」という感じが出て来る。
 色々意議論したが、結局、「他党派の議員はともかく、地方から選出された議員で岸信介の派閥に入った議員、すなわち、岸の「follower」であっても、必ずしもCIAとの関係があると限らない。そう言う、CIAに対して無垢な自分の配下にCIAが影響力を及ぼすのを、岸は許したのではないか」という私の意見を、次女は「うーん、やはり、全体から見ればそうかなあ・・・・・」と消極的ながら認めた。
 ワイナーの別の個所の記述によれば、CIAは社会党の議員もリクルートしていたのだから、それを考えれば、この部分は文藝春秋社版の様に読めるのかも知れない。
 英語としてはそんなに難しい物ではないのだが、その時の政治状況を考えると簡単ではない。
 この辺のところは、ワイナー自身に聞かないと分からないことなのかも知れない。

 そう言う訳で、前回の、その部分、読者諸姉諸兄も解読にご協力下さいませ。
 よろしくお願いします。

雁屋 哲

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