雁屋哲の今日もまた

2012-06-12

ひどすぎる

今日、福島の今月に入ってから2回目の取材から帰ってきた。

取材は2時過ぎに終わり、車で帰ってきた。

安井敏雄カメラマンが運転してくれた。

私は、今夜の日本対オーストラリアのサッカーが気になって、安井敏雄カメラマンに、「とにかく、サッカーを見たい」と言った。

敏雄さんは車に関しての知識・経験はプロであって、運転技術も大変な物だ。

私が運転を代わると言っても、無視する。

それは、私の体調をおもんぱかってのことが第1、私の運転技術を信用していないことが第2。

敏雄さんは極めて安全運転で、しかし、有効に時間を稼ぎ、家にたどり着いたときには、対オーストラリア戦の前半半ばを過ぎようとしたところだった。

敏雄さんと、取材のディレクター役を務めてくれている安井洋子さんは(敏雄さんと名字は同じだが、親戚でも何でもない。偶然の一致である)、長い取材で疲れたから家でその疲れを癒したいと言うことで引き上げて、私は、連れ合いと、弟と、いつもは絶対にしない夕食を食べながらテレビ観戦という、行儀の悪い仕儀に自ら陥った。

対オーストラリア戦の試合の経過はみなさんご存じの通りである。

 

試合が終わって、1時間経った今、私はいまだに怒りに燃えて気が狂いそうである。

「なんだ、あのレフリーは!」

最後のフリーキックで、日本選手が、「さあ、蹴ろう」言う態勢に入った時、蹴る寸前に終了の笛を吹くか!

ゲームは進行中ではないか。

今まで、こんな事は見たことがない。

厳密に言えば、ロスタイムを過ぎていたかも知れない。

しかし、慣行としては、ゲームが進行中は、そのゲームの最初の1蹴りが済むまでは笛は待つものなのではないのか。

あの瞬間に笛を吹いたことは、狂気の沙汰である。

 

大体、今日のレフリーはおかしかった。

オーストラリアの選手が退場になったのは当たり前で、あれだけ露骨な反則を見逃したら、FIFAから罰則を食らうだろう。

しかし、オーストラリアのコーナーキックの際に内田にペナルティーを与えたことは理解しがたい。

コーナーキックの際、どこのチームのどこの選手も内田がしたようなことはする。

厳密に言えば、反則は反則だろう。

だが、イングランドのプレミア・リーグの試合でも、あのようなコーナーキックの際に、内田のあの行為を反則に取るのを、少なくとも私は見たことがない。

反則は反則だが意図的で悪質な物ではない。普通なら、その時の弾みによる物で仕方がないとして、反則には問わない行為だ。

オーストラリアだって、日本のコーナーキックの際には日本の選手に抱きついたり、腕を押さえたり、引っ張ったり散々していたではないか。

それを、あの時点で、どうして内田のファウルを取るのか。

さらに、本田にイエローを出したのも理解できない。

あの程度のファウルはしょっちゅう行われているではないか。

悪質な物でも、意図的な物ではない。

試合の流れの中では、良くあることである。

あれを、ファウルに取るのは仕方がないかも知れないが、イエローとは何事だ。

1つイエローをもらうと次の試合からも制限がかかる。

どうにもこうにも承服しがたい判定だ。

 

今日の試合は、そもそも、ピッチがひどかった。

あんな荒れ放題のピッチで、オーストラリアのサッカー協会は良くも国際試合をしようと思った物だ。

それも、ワールドカップの予選という大事な試合だ。

オーストラリアという国は、客人に親切にする言う習慣のある国のはずだ。

それが、あのピッチは何だ。

芝はろくに生えていない。生えている芝も、きちんと刈り込んでない。

ピッチの至る所土、土、土、である。

あんな汚いピッチでまともなサッカーが出来るか。

あれが、国際試合をするグラウンドだと誰が思うか。

低開発国、開発途上国なら仕方がないかも知れない。

しかし、オーストラリアは、先進国のはずである。

それが、あのグラウンドか。

オーストラリアで人気のある、ラグビーや、オーストラリア式ラグビーを行うグラウンド大変きれいに整備されている。

それが、今日のあのピッチは何だ。

オーストラリアではサッカーは人気がない。

オーストラリアでは、とにかく、男は体が大きくて強くなければならない。

ラグビーのように体と体をぶつけ合わないから、サッカーをするのは弱虫であると言われていて、サッカーは人気がない。

だから、ラグビー場は念入りに手入れをしても、サッカー場の整備に全く無関心なのだろう。

国民がサッカーに興味がないのを仕方がない。

しかし、オーストラリア・サッカー協会がグラウンドの整備に無関心だったのは一体どうしたことだ。

干ばつがあったから芝生が荒れたとか何とか、言い訳は通用しない。

もし、自然環境でグラウンドが整備できなかったと言うなら、オーストラリア・サッカー協会は最初から国際試合を自分の国で行うことを諦めて、今日の試合の開催を他のきちんとしたサッカー場を持つ国に委託するべきだった。それが、礼儀という物だろう。

オーストラリアのブッシュは素晴らしく美しく、私も心から魅了されている。

しかし、ブッシュはサッカーゲームには不向きだ。今日のピッチはブッシュの中にできた「開けた土地」だ。

他国のチームをブッシュ同然のピッチでプレイさせるなどと失礼極まりない。

 

とにかく、今日の試合は不愉快だった。

レフリーが全てを決した。

こんなひどい試合はない。

ひどすぎる。

日本の選手はよく頑張った。

奪われた一点は、レフリーの奇怪な判定によるPKだけだった。

次のホームでの試合でオーストラリアとの決着を付けてもらいたい。

雁屋 哲

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