雁屋哲の今日もまた

2012-05-20

サッカーは楽しい

いやあ、サッカーって楽しいなあ。

今日は朝10時過ぎに秋谷の家を出て、なんと41分で横浜の日産スタジアムに着いてしまった。

開場が12時、キックオフが2時なのに、どうしてそんなに早く家を出たかというと、前日、日産スタジアムに電話で尋ねたところ、駐車場が10時か11時で一杯になると聞かされたからだ。

行って見れば、駐車所には余裕があり、楽なところに止められたが、それから2時までの時間をどう過ごせばよいか、連れ合いと二人、戸惑った。

しかし、スタジアムの入口の広場は、まるでお祭りか縁日のようで、色々な屋台が出ていて、親子連れで賑わっている。

それを見ている内に、あっという間に時間が経った。

すごかったのが、たこ焼き専用の設備を整えた仙台ナンバーを付けた車でたこ焼きを売る屋台があって、その前に3列に並んでも長い行列が出来たことだ。(どうして、仙台ナンバーの車がたこ焼きなのか、不思議だ)

私と連れあいが座っているテーブルに若い二人連れが相席で座り、女性が買って来たそのたこ焼きを食べ始めたので、私はたこ焼きの写真を撮らせてもらった。女性は驚いたが、快くたこ焼きの写真を撮らせてくれた。私は、厚かましすぎるかしら。

たこ焼きには、マヨネーズがかかっていた。

それが、人気の秘密らしい。

私と連れ合いは、家から持って来たサンドイッチを食べた。

自家製のサンドイッチも、このようないつもと違った雰囲気の中で食べると格別に美味しい。

よく晴れて気持ちが良く、ウルトラマンが出て来るし、横浜マリノスのアイドル人形の着ぐるみが出て来るし、ロックバンドはうるさかったが、チアリーダーのショウもあったし、1時半まで全然退屈せずに、そのお祭り騒ぎを楽しんだ。

1時半になって会場に入ったら、すでに、マリノスと本日の対戦相手ガンバ・大阪のサポーターたちが応援合戦を繰り広げていた。

私達は正面の席で、左にマリノスの応援団、右にガンバの応援席が見える。

両方共、巨大な太鼓を持込んで、ドンガラ、ドンガラと叩きながら大声で応援歌を歌う。

私は、2月に耳を故障して以来、大きな音が苦手なので、こう言うことも予想して、耳栓を持って来ていた。

耳栓をしても、そのすさまじい応援の太鼓の音と歌声は腹に響く。

耳栓がなかったら、逃げ出していただろう。

耳栓のおかげで、助かった。

だが、外国のサッカー事情を知っている私には、この光景が異常に思えた。

ローマでは、地元ローマのクラブと、他の地方からのビジターとの試合を見たが、これは、地方どうしの模擬戦争のような物で、ビジターのサポーターは、観客席の中で柵に囲まれた席に隔離され、ローマのサポーター席との間には、互いの接触を防ぐための空間が設けられている。

試合が終わった後、全観客が退席するまで、ビジターのサポーターたちはその席に残され、最後に駐車場に待機しているサポーターのバスまでを、両側を警官が立ち並んで警戒する狭い空間を一人一列に並んで用心深く移動する。

まったく、敵地に乗り込んで、移送される捕虜という感じだ。

ところが、横浜では、マリノスが応援歌を歌う間はガンバのサポーターはおとなしくしていて、逆に、ガンバが応援歌を歌う間はマリノスのサポーターたちは静かにしている。

なんだ、これは、と私は不思議に思った。

サッカーは元々、討ち取った敵の首を敵の城門に蹴り込む事から始まったと言われている。

ヨーロッパでも、中南米でも、それほど、地方間の敵対意識が強烈なスポーツなのだ。

サポーターたちが、発煙筒や花火を燃やすのは普通のことだ。

ところが、日本では大変に紳士的である。

私は、ビジターであるガンバのユニフォームを着たガンバのサポーターたちが、マリノスのホームである日産スタジアムをあちこちうろうろしているのを見て、驚いた。

私は、驚いて、「どうして、マリノスのホームをガンバのサポーターたちがガンバのユニフォーム着て歩いているんだ。殺されないのか」と連れ合いに言った。

そんなことをヨーロッパ、少なくともイタリアでしたら、只では済まないだろう。

日本のサッカーは大変に平和である、としみじみ思った。

また、日本のサッカー文化は、ヨーロッパ、中南米のサッカー文化とはまるで別物だとも思った。

 

しかし、サッカーはいい物だ。特に今日のように快晴の空の下だと、これは最高だ。

さわやかな空気が流れ、まばゆい太陽の光を浴びて芝生が鮮やかでみずみずしい。それを目の前にしただけで心が浮き立つ。

その上を日本でも最高の選手たちが、走り抜き技を競い合うのだから、もう言うことはない。

選手たちが出て来た瞬間に、私はもはや興奮状態になる。

試合が始まると、まあ、その時間の経つことの早いこと、その時間の濃密なこと。

興奮しっぱなしの90分だった。

私が愛する中澤は、最初から最後まで出ずっぱりで、見事な活躍を見せてくれた。

得点に絡むことは出来なかったが、その守備の見事なこと。

ガンバが攻めて来ても、中澤一人で、守り抜いてしまう。

そのすばらしさに、ますます、私の中澤熱は上がった。

中村俊輔も頑張ってくれた。

フリーキックを二つばかり失敗し、これ以上確実な物はない思われるペナルティー・キックも外した。

あのPKさえ決まっていればと、今でも私は悔やんでいるが、その失敗があっても中村俊輔の技の巧みさは見事で、心底楽しませてもらった。

中村俊輔のパスは極めて正確だ。コースも上手く敵の間を抜くし、そのボールも味方が受けやすいように、強さ、角度を上手に計算してある。

残念ながら、その中村俊輔の絶好のパスを、マリノスの選手(敢えて、誰とは言わない)はことごとく、次の攻撃につなげる事が出来ず、中村俊輔の努力は実らなかった。

結果は、ゼロ対ゼロの引き分け。

残念だった。

最後に、マリノスの選手たちが会場を一周して挨拶して回る際に、中澤が私達の前にさしかかったので、私は思い切り大声で「なかざわーっ!」と叫んだ。

中澤に私の声は届いたかなあ・・・・・

とにかく、最高に楽しい1日だった。

マリノス、ありがとう!

マリノス頑張れーっ!

とここで、もう一度大声で叫ぶ。

また、マリノスに会いに、日産スタジアムに行くぞ。

雁屋 哲

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