雁屋哲の今日もまた

2011-01-26

何てことだ

 今日はね、何が何でも、日韓戦前に原稿を上げなければならないと、死にものぐるいで、キックオフ1時間前に仕上げました。
 そこまで、燃えるような思いを抱いて、テレビを見ていたのに、延長後半、あと3秒を残したところで、やられてしまった。
 なんと言う事だ、オーストラリアの解説者は、Unbelievableと言った。
 こっちも信じたくないよ。
 しかし、今日は、最初から韓国ペースだった。
 何時点を入れられてもおかしくないくらいに、押しまくられて、日本は殆ど何もできなかった。
 バスは取られる。スペースも空けてくれない。
 それに引き替え、韓国は、次々に波状攻撃を仕掛けてきた。
 韓国との実力の差、気力の差は大きい。
 最後に、点を取られた時の、あの韓国の攻撃の凄まじさ。
 日本のディフェンスなんて、翻弄して、次々に攻めまくる。

 私は、昔、西部劇で、インディアンが幌馬車隊を取り囲んで攻撃している場面を思い出しましたね。
 今まで5年間韓国に勝利出来なかったのは当然だ。
 どうして、折角PKで有利に立ったのに、延長戦、最後の15分を守りきれなかったかのか。
 最後の3秒に得点されるとは、全くの悪夢だ。
 その後のPK戦で何とか勝ったが、ちっともすっきりしない。

 どうして、ここまで、韓国に弱いのか。
 香川は何にも出来なかった。こんな時に何もできないなんて、カタールとの試合の時はまぐれだったのね。
 本田もパスをしようと思った時に、でかい体の韓国人に囲まれてパスも出せない。
 全くHopelessだ。
 本田は、PKすら失敗した。
 細貝がいなかったら、それまでと言う大失敗だった。

 勝てばいいと言う物ではない。
 こんなのは拾った勝ちだ。(川島の頑張りは認めるが)
 欲求不満は甚だしく私を苦しめる。
 それでも、負けるよりは良かったと言えるだろう。
 明日は、久しぶりに酒でも飲んで厄落としをするかな。

 本当に韓国は強い。
 その韓国相手によく頑張ったと讃めてやりたいところだが、世界には韓国より強いチームが山のようにいるので、韓国くらいは、軽く始末するくらいでないと、困るのだ。
 そして、決勝は、ああ、オーストラリアとだ。
 日本はオーストラリアには劣等感を持っている。
 ワールド・カップ・ドイツ大会以来のトラウマだ。
 オーストラリアを相手にすると、縮み上がって、ひどく動きが悪くなる。
 今日の韓国戦もひどかったのに、あれより動きがひどかったら、それこそ、海水浴場の射的屋で遊んでいるみたいに、相手にドンドン点を取られてしまう。

 日本がオーストラリアに負けた翌日は、町に出るのが嫌なんだ。
 顔見知りのオーストラリア人はにやにやしながら、「昨日のサッカー見たかい」と来る。
 長男は、はらわたが煮えくりかえるような思いで「ええ?サッカー?そんな物があったの。見てないよ」と言うそうだ。
 今度は、日本がオーストラリアに勝って、私はドイツ大会に着ていった、中澤のユニフォームを着てシドニーの町中を歩き回りたい物だ。
 でもなあ、今日の韓国戦を見ていると、悲観的になってくる。
 ああ、苦しいなあ。

雁屋 哲

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